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今日はオシャレなスタイリングとは、というファッション談義について書いてみます。
ALTACIAでは沢山のブランドをセレクトして皆様にご紹介しています。ブランドによってその個性というかカラーや主張も様々で、それらを如何に上手く提案するかが難しくもあり面白い所です。ブランドだけでなく更に一つづつアイテムごとに見ていくと実に個性があり、パッと見てカワユいものもあれば着せてみてカワユくなるもの、何かと組み合わせてカワユくなるものなど様々です。この辺りも販売する側としてはどれも素敵に見せてあげる必要がありますので、色々と工夫が必要になってきます。ブランドが沢山あってそれを組み合わせるという点では、皆さんの日々のオシャレも同じですよね。全身同じブランドで揃えている人はごく稀で、皆さんも気に入って買った色々なブランドのものを組み合わせて着ていると思います。
ところで、そもそもどういったスタイリングがオシャレなのか。オシャレかオシャレでないか、その判断基準は主観的なものですので述べにくいのですが、僕の考えでは「キメすぎずこなれた感」「色遣い」「シルエット」がポイントだと思っています。
「こなれた感」、これが最も重要でありなおかつ最も明確化しづらい要素ですね。何事もガチガチに着こなすのは余りオシャレとは言えません。スーツだってちょっと襟元が開いているとか、ビビッドなチーフやペンを胸元に差している人はオシャレですよね。日常の着る物だって、フェミニンならフェミニンに、マニッシュならマニッシュにと余りにハマりすぎるスタイリングもちょっと息苦しさを感じます。かと言って全部がチグハグになってしまうと単にあるものを着ただけ、というパッとしない印象です。僕も出勤前毎日着るものを合わせる中で、「悪くはないがパッとしない」と思う事が多々あります。この「パッとしない」という感覚が重要で、言い換えるなら「イケてない」ともなります。そこには何かしらの主張というと大げさですが、見せたいイメージや雰囲気が出ていない事になります。オシャレな人は大体、決めすぎないがどこかで全体が調和している、そんなコーディネートをしているような気がします。
という事で、ここからは実際に
ロミーを使ってコーディネートしてみたいと思います。
まずはこのスタイリングをご覧下さい。コーデュロイの薄いベージュのジャケットに黒いタートルネック、下はデニムを合わせています。これでも悪くはないのですが、余り「こなれた感」が伝わってきませんよね。こういうシンプルな服装は体型やシルエットに大きく左右されてしまいます。シンプルな服装が似合う人はある意味何を着ても似合うと思いますから、やはり自分らしさを出すにはもう少し工夫が必要です。
という事でインナーを変えてみました。薄いペールグリーンの中間色を合わせてみました。これによってキーワードの一つ「色遣い」が満たされた事になります。トップスがジャケットの薄いページュとペールグリーンで統一感が出ています。色を合わせるのもオシャレにとって重要な要素です。全身の中に余りに沢山の色が混ざっていると散漫な印象を受けます。また、色自体の個数だけでなく個々の色のトーンを合わせる事も重要です。これらのセオリーをわざと無視して着こなすパターンもあるのですが、セオリーはセオリー。やはり基本に忠実にやるのが成功の近道ですね。またこのインナーを使ったポイントとして「シャープさ」が上げられます。先ほどのタートルは首元を覆い隠し丸型のイメージでした。このジャケットはショールカラーなので丸みと丸みが合わさっていました。そこでこのVネックに変える事で、シャープな印象を与えるようにしました。かつVネックなので首元が露出され若々しく女性らしい印象となります。
さらに、ボトムをデニムからカーゴパンツに変えてみました。どうですか、グッと「こなれた感」が上がったと思いませんか。これには理由があって、もう一つのテーマ「シルエット」を意識しています。ややワイド気味のカーゴパンツを合わせる事で全身がAラインになりました。上半身をコンパクトにして下半身を広がったもので合わせる、僕も好きなコーディネートなのですがこのスタイリングをする事で、自然と「こなれたオトナ感」が出てくるのです。さらにジャケットという固いアイテムをカーゴパンツというミリタリーでドレスダウンしていますので、この辺りも「こなれた感」アップにつながっています。適度な「抜け感」とでも言うのでしょうか、それが出ています。さらにさらに、このカーゴパンツはカーキの中間色ですので全身の色バランスも保たれています。先ほどのデニムも良いのですが、デニムはどうしてもコントラストが強い着こなしになりやすくトーンを合わせるのが難しいのです。
これは余談ですが、デニムほど万能かつ中毒性の高い(笑)アイテムはないと思っています。店をやっていてロミーを着替えさせる時にいつも思うのは、「このトップスは取り合えずデニムには合うな」と。つまりデニムを履いていれば上に着るものが何であってもコーディネートが成立するのです。これは便利な反面、手が抜けるという事です。雑誌や他のショップを見ていてもデニムのコーディネートを見るとちょっとガッカリしてしまいます。「そんな事は分かってるんじゃい」と思ってしまうのです(笑)。デニムが悪い訳ではないのですが、もっと色々なバリエーションを見せて欲しいと思うのです。何度かそのショップを通って毎回スタイリングがデニムだと、もうお店のスタイリングは見なくなります。どう考えても手抜きしたスタイリングなんですよね、それは。個人的には、コーディネート力を鍛えるにはまずデニム以外のアイテムを合わせるのが手っ取り早いと思っています。まあ心配しなくても
ALTACIAにはデニムはごく僅かしかありませんので、自然とデニム以外のスタイリングになるのですが。今回合わせたようなカーゴパンツは、脱デニムにオススメしたいアイテムです。適度なルーズさとハードさが、大人の女性にとても似合うと思います。
首元にアクセサリー、手にはバッグを持たせました。これでグッと華やかな印象になりました。どちらも差し色を意識しています。アクセサリーはパープルやブルーと言った色味を、バッグもブルーを使って全体を引きしめる「色遣い」にしています。また季節感を出したかったので、バッグにファーを取り付けてみました。本来は首に巻いてもらいたいのですが、首元に巻くとどうもロミーの場合メリハリがなくなりやすいのでバッグと組み合わせてみました。
さあ、ここからが今日の本題なのですが、このスタイリング最初はこれで決定していました。でも何となくもう一工夫したい、そう思って色々なアイテムを組み合わせてある答えに辿り着きました。それはこちらです。
フードのついたノースリーブのニット。ベストとも言えます。貝ボタンの光沢がカワユイのですが、皆さんこういうアイテムって買わないのではありませんか?でも実はこういうフード付のアイテムは重ね着する事で効果がアップするのです。では先ほどのロミーに着せてみましょう。すると。。。
<フードニット追加画像>
ス ー パ ー ら し い ! ! と久々に書いてみましたが(笑)、どうですかこの違い。より首周りにリラックス感が出ていますよね。つまり「こなれた感」がアップしているのです。フード付というカジュアルなアイテムをジャケットという固いアイテムと合わせる事でこちらもドレスダウン出来ています。でも首元はVネックでシャープなラインが出ていますので、バランスが取れています。ちなみにテーマは「休日出勤するロミー」です。こんな女性が休日出勤しているオフィスに「お疲れ様でーす」と言って入ってきたら。。。僕なら即座に差し入れのコーヒーを買いに走ると思います(笑)このロミーのスタイリング、今まで様々なスタイリングをして何百回と着せていますが会心の出来栄えです。考えた人に拍手、ですね(笑)
それではようやく今日の本題、「中に差し込む発想」についてお話します。もうお分かりだと思いますが、中に差し込む、というのは重ね着する一枚を意味しています。今回のスタイリングの場合、ある意味このニットを重ねなくてもスタイリングとしては完成している訳です。少なくとも外に出かけられる、という意味ではニットを着てジャケットを着てパンツを履いてバッグを持っている訳ですから。でもそこに一枚、ある意味着なくても良い一枚を差し込む事でオシャレ度が格段に違ってくるのです。でもそれを着ているかどうかが結局はオシャレな人とそうでない人との分かれ道だと思いました。
重要なのは「重ね着」ではなく「差し込む」という表現です。最近のファッションは重ね着を前提に作られている物がほとんどです。よく「私は重ね着が苦手で。。」というお客様がいらっしゃるのですが、そういう方は最近のファッションを見て着るものがない、と感じているのではないでしょうか?それはとてももったいないですし、一度挑戦すればとても簡単だと感じて頂けると思います。
でもいきなり重ね着をオシャレに着こなす事は中々思いつきませんから、決して上に着ていく事を考えるのではなく、シンプルなコーディネートの間に何かを差し込んでいく、この発想が簡単に重ね着を楽しめるポイントだと思いました。慣れてくれば今まで興味の無かった柄物や五分袖など、トレンドに合った物も楽しめると思います。
個人的に思うのは今はフェミニンなアイテムが多いですから、「カーゴパンツ」「フード付き」などのミリタリー系やスポーツ系のアイテムを組み合わせると上手くテイストが中和されオシャレになると思います。つまり、これらのジャンルのアイテムをそれぞれ何品か持っていれば、組み合わせた時に効果を発揮するという訳です。気をつけないといけないのは、個々のアイテムにはそれぞれクオリティが伴っている事です。余りにクオリティが低いものだと「こなれた感」が「チープ感」「汚い感」につながってしまいます。個々のアイテムのクオリティを見極めつつ、複数のジャンルを組み合わせるのがポイントだと思います。皆さんのお役に立てるためにも、今後は
ALTACIAでもそれぞれのジャンルの選りすぐったアイテムをバランス良く展開出来たらな、と思っています。
中々哲学(というと大げさですが)は体系化して書くのが難しいですね。今回はこのようにケーススタディを使って説明しましたが、お店に着て頂ければ一緒に差し込む技術について考えたいな、と思っています。また今日書いてみて自分で驚いたのは、たかがトルソー、されどトルソー、一つのスタイリングの中に沢山の着眼点や理由が存在している点です。自分では漠然と頭で考えていた事をこうやって書き出すとある程度系統立てて考えているのだな、とちょっと再確認出来て成長した気になりました。
「こなれた感」「色遣い」「シルエット」それぞれは文章化するのが難しいのですが、また機会があれば書いてみたいと思っています。ご参考になれば幸いです。
最後に驚きの事実ですが(笑)、このロミーのスタイリング商品は全てセール対象品です。今ならお安くお買い求め頂けますのでお早めにどうぞ。と宣伝もしておきます。
ALTACIAでお待ちしています。
掲載のBagとネックレス(ターコイズ)については完売となりました。お買い上げありがとうございます。
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