最初の曲はアルバムタイトルの「Chinese Democracy」、街中の雑踏のようなSEから徐々にサウンドが広がり、ギターのリフが鳴り響きます。そのままテンションが上がり、1:24 あの聴き慣れたアクセルのシャウトボイスが炸裂します。ああ、この瞬間がまた訪れるとは、あたかもデビューアルバム「Appetite For Destruction」の一曲目「Welcome To The Jungle」を彷彿とさせる展開です。アクセル狙ってたな(笑)まんまとハマりつつも当然胸が高まります。そして1:33 に刻まれるギターリフ、これを聴いてガンズのファンは当然( ̄ー ̄)ニヤリ、ですね。
アルバムは全部で14曲です。「Chinese Democracy」「Shackler's Revenge」とヘヴィな曲が続きます。その後はガンズらしいメロウなピアノも聴けるバラード「Street Of Dreams」やスロウながらネットリと重いサウンドを聴かせる「Better」「If The World」「There Was A Time」、キング牧師の演説をSEに使った「Civil War(この曲も僕は大好きなのですが)」の流れを汲む「Madagascar」など骨太な曲揃い、収録曲71分25秒が実に一瞬にして終わります。
全体を通しての感想ですが、もう本当に文句無し!、素晴らしい名盤だと思います。サウンドに関しては「Appetite For Destruction」はブルース・ロックを基調としたシンプルで荒削りな仕上がり、「Use Your Illusion I」「Use Your Illusion II」は「Appetite~」を踏襲しながらもシンセサイザーやピアノ、ストリングスなど多彩なアレンジを沢山詰め込んだ仕上がりだと僕は解釈しています。そして今回の「Chinese Democracy」では、そのアレンジに統一感がもたされ、新しい世界観が誕生しています。ファンとしてはスラッシュやダフ、イジーがいない事に寂しさも覚えますが、逆に新しいメンバーを必要としたアクセルのコンセプトがようやく理解出来たように思えました。
「Shackler's Revenge」…ミディアムテンポでグルーヴ感のある曲。最初の縄跳びを振り回すようなSE(笑)も気に入っています。低音のアクセルの声も健在。「It's so easy」を最初に聴いた時、それがアクセルの声かどうかちょっとした騒動になったのも懐かしいですね。サビ終わりで再びAメロに行く際、ほんの一瞬だけ無音になり(1:10ごろ)、その後縄跳び音→ギター→Aメロに続くのですが、このAメロがカブり気味に入る(1:14ごろ)のが、たまらなくカッコイイんです。聴く度に毎回唸っています(笑)この辺りのグルーヴ感の出し方はアクセル分かってますねえ。シンプルな曲構成、ギターサウンドなどを含め、屈指の名曲「Nightrain」を思い出すのは僕だけでしょうか。
ところで、アルバム制作期間中にリリースされた曲「Oh My God」は、残念ながら今回のアルバムには収録されていません。アクセルとしてはアルバムの曲とは捉えていなかったんでしょうか。ボーナストラックでも良いから入れて欲しかったなあ、というのが感想です(というのもこの曲が大好きだから、なんですが)。Youtubeに動画がありましたので、そちらをご紹介します。
知らない方のためにご説明するとこの曲は「End Of Days」というアーノルド・シュワルツネッガー主演映画のサントラとして提供されました。1999年という、ちょうど2000年問題に揺れていた世間に便乗して出した映画のように思えますが(笑) なので、PVにシュワ知事が出てくるのはそういう訳です。ちなみにこのPVでもBucketheadの風貌が拝めますので、要チェックです。何故かロボットダンスも得意だそうで、ちゃんと披露しています。どんなんやそれは(笑)