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9月は僕にとって色々な節目となる月で、中々感慨深く、毎年過ごしています。現在関わっているアンティーユが、9月30日に3周年を迎えましたし、ALTACIAという事業で数えると、6年となりました。この場を借りまして、まずは今まで応援頂いている皆様に、深く御礼申し上げます。
3年目となった一年間を振り返ると、やはり考えずにはいられないのが、3.11の東日本大震災です。地震による被害、そして東北地方を中心に襲った津波の大被害、更に今まで日本人が経験した事の無い、原発事故による放射能の影響、これを書いている今でも、その傷跡は深く残っています。
アンティーユでは震災復興の手助けとして、売上金の一部を寄付する活動(antilles aid)を、3月末より行ないました。多くのお客様にご賛同頂き、募金を行なう事が出来ました。実際その取組みをやるまでは、皆さんがお買い物して下さるかどうか少々不安でもありましたが、結果的に予想以上にお買い上げ頂き、嬉しかった事を覚えています。
寄付した金額についても、振込証明そのものを、アンティーユのBlogにて紹介しました。これは、実際に行なった活動を正しい形で皆様へお伝えしたい、という想いから、本社のスタッフと話し合い、公開する事となりました。お客様からは「誠実なお店ですね」とお褒め頂きました。
復興と称して、チャリティや募金などを訴える企業は多いですが、やはり自分の募金額がどうなったかを知る事は大事ですよね。それが無い企業は「もしかすると…」という気持ちになってしまいます。皆さんもお気をつけ下さいね。
ショップの活動を考えると、新しいブランドを幾つかスタートさせています。インポートでは、イタリアのダイナミックなカッティングと、鮮やかなテキスタイルが特徴の「ALYSI(アリジ)」、フランスの希少なフルハンドメイドのバッグブランド「Cesaire(セゼール)」。ドメスティックでは、大手SPAのデザイナーが個人レーベルで展開しているブランド「Raspail(ラスパイユ)」などです。
中でも、セゼールはフルハンドメイドという事もあり、価格帯が高め。高い物だと12,3万円ほどです(実際には、クオリティを考えるとバリューなのですが)。今まではそういうブランドとは縁がなかったのですが、素晴らしいプロダクトの数々を見て、思いきって取扱いを決めました。私たちの熱意が通じたのか、少しづつ皆様にも気に入って頂き、順調に販売しています。
セゼールに関しては、ここだけの話(という程でもありませんが(笑))、僕もプライベートで愛用しています。革質の良さとステッチなどハンドワークの丁寧さ、もちろんデザインについても、シンプルながらもどんなスタイルでも合ってしまう、そのバランスの良さに驚かされます。もしかすると数年後には、もっとメジャーなブランドになっているかも知れませんね。まだあと数点、アンティーユでは販売していますので、気になる方はどうぞご覧になってくださいね。
また、自社ブランドについては、今までのPurifierに加えて、PETILLER、avant de voyagerの姉妹ブランドがスタートしました。さすがに、3ブランドのフルコレクションを店内に置く事は物理的に難しいので、アンティーユでは定期的に商品を入れ替えながら皆様へご紹介しています。その分、WEB SHOPでは全てのコレクションが購入可能になっています。
WEB SHOPも、少しづつですが認知度が上がってきて、売上も増えてきました。Purifier自体、10年以上続いているブランドですから、全国にファンの方がいらっしゃいます。そうした方々は「やっとお気に入りのブランドが沢山買えます!」と、喜んでくださっています。ご利用頂いている皆様へも、この場を借りて深く御礼申し上げます。より一層楽しくお買い物して頂けるよう、WEB SHOPもブラッシュアップしていきたいと思っています。
バイヤーの立場からこの一年を振り返ると、供給元であるメーカーや商社も苦労しているな、という印象です。3.11以降、全国的に消費は低迷し、ショップのみならずメーカーや商社も、その影響は出ています。今までよりも更に、厳しい状況に置かれている事は間違いありません。
ブランドによっては産みの苦しみ、そのプレッシャーを上手く昇華出来ず、発展性に欠けるコレクションを展開しているところもあります。原因は明確で、どこにこだわって商品を作っているのかが、作り手の心中に浮かんでいないからだと思います。
今までは景気が悪かったとは言え、ブランドそのものに勢いがあった。だから、さほどこだわる事は必要なく、成り行きで売れていた。でも、ブランドの成長曲線、売れ行きががなだらかになってきた時に、そのブランドが何を目指し、何を大事にするのか。そこが、一段上に上がれるかどうかだと感じます。
もう一度原点に立ち返り、自分たちらしさのアルバムを紐解くか、現状維持に注力し、素材やコストを切り詰めて利幅を増やしていくか(後者の道を歩むブランドは、余り明るい展望は無いですが)。
もちろん、そんなブランドはごく一部で、その他のほとんどのブランドは「らしさ」にこだわり、僕たちバイヤーを含むエンドユーザーの心を掴む商品を作ろうと、日々研鑽しています。そうしたブランドを取り扱える事は喜びであり、いわゆるファストファッションにはない、長持ちする、愛着の持てる商品を皆様へご紹介するのが、僕の役割だと思っています。
もう一つ、業務的に注力しているのがデータ整備です。前職の経験を少々活かしながら、お客様の購買情報を的確に捉え、発注や販売に役立てようとしています。空き時間を使いながら、本当にゼロからの構築でしたので、進捗は微々たるものでしたが、ここにきてようやく形が作れてきました。
おかげで、好まれる色やサイズなどを過去のデータから割り出し、ブランド毎の特性、クセも考慮しながら発注出来るようになってきました。その結果、不要なサイズを減らしながら、必要とされるサイズを多く仕入れれますし、売上にも好影響が出ていると思っています。まだまだ、自分ではやりたいレベルのデータ活用にはなっていませんので、これからの一年もこつこつと続けたいと思っています。
と、この話を書いていて思い浮かんだ、仕事の中で感じたことが一つあります。
上記のデータ整備のタスクですが、この作業は端的に言うと「やったほうがいい事」です。逆に言うと「必ずやるべき事、ではない」わけです。では何故、僕がこの作業を延々とやっているかと言うと、それは「自分なりのビジョンの上では必須である」というのと、「やっていく上での作業が、果てしなく、辛いけれど、どうも楽しい」だからです。
日々の仕事は沢山ありますし、それをこなしていれば、一日はあっという間に過ぎます。そんな中、仕事をしていると「こうなっていたらいいな」とか「こういう事が楽に出来ればいいな」という問題点が、誰でも多少はありますよね。そういうアイデアは本来の仕事自体には無く、どちらかと言うと仕事環境の整備、整理整頓という話です。
これを見なかったことにして済ますか、取り組むか、どちらを選んでも基本的には良いと思います。なぜって、全部に取り組むというのも、時間がいくらあっても足りない、非現実的な活動ですし。そんな中、何度考えても「やっぱりあった方がいい」と思った事は、やっぱりやったほうが良いですね。
また、そうした環境の整備というのは、その日に終わる事は少ないです。その日に終わるのは、単なる「掃除」ですから。最低でも半年、長ければ一年以上というテーマもあるでしょう。このスパン、実は長ければ長いほうが良いのでは、と思っているのです。
今のご時勢、携帯電話やスマートフォン、メールやSNSやTwitter、便利なツールは沢山あります。これらを駆使して、その日に終わらすとか、明日までに、今週までに、という仕事は、ものすごく進め易くなっています。働いてる人の多くは、短期の仕事をこなす事に、慣れているし長けていると思います。
でも、これが半年や一年掛かってやる仕事だとしたら、どうでしょう?これは意外と大変です。スパンが長いという事は、アウトプットも壮大なもの。本当に少しづつ、小さな歩みを積み重ねないと出来上がらない仕事です。実は、現代人にとって必要なのは、こっちの方ではないかと思ったのです。
歩みは小さく、必須ではない、だからと言って完全に投げ出すのも諦め切れない。時にはサボってもいいでしょう、気が向いた時だけでも最初はいいと思います。そんな事を少しづつ繰り返していると、「あれ?このままもう少し踏ん張ったら、少しは形になるんじゃないかな?」と思う時が、ふとした瞬間やってきます。そうなれば、今度は空き時間を生み出す事を努力し、それに携わりたくなるのです。
以前読んだ本に、「ヨーロッパではバカンスを使い、田舎に手作りの家を建てたり、リフォームする事を、生きがいにしている人々がいる」という記述がありました。丸太を伐り出したりペンキを塗ったり、そんな作業を何年、何十年と掛けてやるんだそうです。
最初は土慣らしや基礎作りなので、面白くもなんともないでしょう。でも、何年も掛かって外壁が出来てくると、次第に休暇が待ち遠しく、「キッチンの収納扉はどんな部材にしようか」とか「屋根の補修、どういう手順でやるのがいいだろう」とか、普段の生活でもそのアイデアを考え、いい意味で日常生活におけるストレスの軽減にもなっているようです。
仕事でも、やっぱり時間を掛けて取り組んだものは、大きな喜びにもなりますし、何より自分の自信に繋がりますよね。かと言って、文字通りエンドレス、一生掛かっても出来ないものに、延々と取り組むのは良くないですね。自分の中で期限というゴールが決められそうなもの、そうしたタスクを選ぶほうがいいですね。皆さんも取り入れてみては、いかがでしょうか。
とまあ、最後は仕事論をぶちかまして、何のこっちゃ、という感じですが(笑)、これからもまた一年、皆様へ素敵なファッションを届けたいと思っていますし、このアルテイシアのBlogも大事に書いていきたいと思います。
いきなり長いトピックになってしました。最後までお読み頂きありがとうございました。
どうぞ引き続き、ご愛読をよろしくお願いします。
<追伸>
最後に一つ、悲しいお知らせを。アルテイシア時代に取り扱っていたブランド「norikoike」のデザイナー、小池のり子さんが急逝されたそうです。ご本人を存じ上げていただけに、大変ショックを受けました。この場を借りて、小池さんのご冥福を心からお祈り致します。
PS:
twitterにてつぶやいております。
リンク先のWebページを見て頂ければ内容が見れますので、おヒマな時にご覧くださいね。
アンティーユのBlogですが、最近は熱心に更新に励んでいます(笑)
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