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先日、と言ってもお正月の終わり頃でしたが乗換駅の中にある本屋の前を歩いていたところ、何となく新書紹介のコーナーに目が留まりました。そこはそれ程広くない本屋なのですが、便利なのと暇つぶしの人とでいつも混雑していて、店内の様子をゆっくり観察したことがありませんでした。たまたまお正月期間中だったのでほとんど混んでいなく、そのおかげで目に入ったという訳です。
本棚に立てかけるように新書が紹介されていたのですが、その中にある美味しそうなコロッケの写真が目に入りました。なんだろうと思い近づいてみると、よしもとばななさんの新書「
ごはんのことばかり100話とちょっと」という本でした。よしもとばななさんといえば、「TUGUMI」や「キッチン」はその昔読んだ事がありましたが、正直それほど記憶にも残っていなく、新書を見たときも「ああ、よしもとばななさんか」というありふれた名前を聞いた時のような反応でした。
乗換えまで1~2分ほどあったので、近づいていきその本を手に取りパラパラとめくってみました。どうやらこれはエッセイ集だったようで、食べ物に関するエピソードというかエッセイをまとめたものでした。何気なく字を追って数行読んだその瞬間、僕の中では大きな衝撃が駆け回っていました。
「す、すごい・・・」もうホント、この言葉しか出てこなかったのがいい年して恥ずかしいのですが(笑) とにかくその軽い雰囲気とゆっくりとした時間のようなもの、そしてそこに出てくる食事の美味しそうな描写やばななさんの想いのようなもの、それが読み手に全く押し付けがましくなくすんなりと入ってくるのです。まるでノートを一枚ベリッと破り、そこにサラサラと書いているかのようなその文体に、僕は改めて作家と呼ばれる人達の才能に敬服しました。
もちろん早速購入し、電車での移動中やお風呂の中で、色々な場所でこの本を楽しみました。食事という日常の行動を通して描かれる、家族・友人・恋愛・結婚・文化・コミュニケーションなど、多岐に渡るテーマが語られています。ご子息の微笑ましい成長が書かれていたり、愛犬が死んだ時の事を書いていたりと喜怒哀楽がたっぷりと詰まった素晴らしい本でした。もちろん出てくる料理はどれも美味しそうで、読んでいる内にお腹が空いてくるので要注意です(笑)
読みながら女史のシンプルで無駄の無い文章と構成にただただ驚嘆していたのですが、どうしてこういう書き方が出来るのか、そのヒントのようなものが本の中であるエピソードと共に書かれていました。参考までに抜粋し転記します。
「昔、全然料理ができなかった頃は、こんなてきとうなことできなかった。一品作るのもどきどきしたし、つらかった。
そして、決まったものならどうにかいつでも作れるようになると、今度はやたらに「自分の味」「自分の個性」を出したくなる。そうすると、確かにテーブルの上には自分の味としか言いようがないものが並ぶのだが、とても疲れる。とにかく同じ味だし、ベスト盤のCDみたいなもので、遊びがないから、たとえよいものばかりだとしても、心がちょっと縮こまるのだ。
その後、ある時期が来ると突然に、「普遍的な味」を求めるようになる。その頃は自分以外の人に作ってあげるようになっているのも、大きいと思う。たとえば、自分はさほど好きではないイカとかエビをおいしく調理するには、どうしても普遍的な味を見つめなくてはならない。
と書いているととても料理がうまそうなのだが、そんなことは全然ないです。
さらに、その段階を経て「ボンゴレを作るつもりだったが、材料が足りないのであるものでなんとかする」が初めてできるようになる。
それで歩んできた道を見ると、それは「小説を書くこと」ととてもよく似ている。ほんとうに面白いことだと思う。」
文中の「普遍的な味を」の次が「見つけなくてはならない」ではなく「見つめなくてはならない」と書くあたりにスゴさを感じますね。僕がこのフレーズを解釈するに、小説というのは最初は一つ一つ手探りで書き(基本を習得)、それが慣れてくると自分流をプラスアルファし(基本の応用)、それにも行き詰ると根源的なものを見出そうとし(本質の探究)、最後は根源的な事を踏まえた上でそこに枝葉を付けて書いていける(本質を核とする大いなる一貫性)、という技能を得ていったということでしょうか。
僕自身に置き換えて考えてみると、Blogについても最初は一つ書くのにとても時間がかかっていました。それが慣れてくると自分なりの言い回しや文章作りにこだわったりもしました。でもそこから徐々にテーマを決め(更にそのテーマも一つのエントリーに一つ、あれもこれも詰め込まない)書くようになって来たと思いました。よしもとばななさんと比べるのもおこがましいですが、自分なりに納得したフレーズでした。これは小説やBlogに限らず、何かを作り出す行為全てに当てはまるようにも思いますね。
(この本で一番気に入っているのは、見返しがALTACIAカラーなことです!)
本を読んでいくうちに、僕が書きたかった、目指したかったスタイルはよしもばななさん的なエッセイなのではないか、という事に気がつきました。自分の想いや主張を出来るだけサラッと身近なエピソードを通して伝える、これが理想だと思えました。評論や寸評も良いのですが、もう少し読書感覚で読んでもらえるエッセイ的な書き方を、今後このBlogにも取り入れられないかな、と思っている最中です。
そんな僕の悶々はスルーして頂き(笑)、興味のある方は是非この本を読んでみてはいかがでしょうか。100話分詰まっていますので好きな所から読むも良し、順番に読むも良し、気軽に読めて心がジンワリと暖かくなる素晴らしい本ですよ。
よしもとばなな ごはんのことばかり100話とちょっと
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